ごあいさつ
見に来てくださった皆さんへ
鳥取にやってきて1年が経ちました。学生さんたちとの生活にも慣れ始め、少しずつまちが見えてきました。鳥取に流れ着いて時間の流れがまったく異なるということを知りました。そもそも生きるとはなんだろうか、幸せとはなんだろうか、そんなことを日々考えさせられます。
このゆっくり時間は日頃ジェットコースターのように走り抜けていく生活を送っていた私にとっては驚きです。鳥取駅前のエスカレーターと同じくらい驚きです。しかし今、この現代においてそのゆっくりさ大事なのではないかなあと思うのです。残念なことに私自身はやっぱり毎日嵐を巻き起こしている最中ですが、この異物であるからこそ、その大切さがわかるのではないか、その感覚をいろんな人に味わってもらおうと思いました。
今回鳥取面白そうと思ってくれていた友人ダンサーや音楽家を中心にいろんな人をお招きしてみました。多分鳥取に住む人の気がつかない新しい鳥取の良さを発見してくれるはずです。
コミュニティダンスの原型はお祭りにあります。外からやってきた異物と共に一瞬浮かれ騒ぎ、楽しい時を過ごすこと。そのようなハレの時間があるからこそ毎日を豊かに過ごすことができる。小さなハレがたくさん起きて行けばいい。折口信夫は“まれびと”といいますが、よそから来た変わった人たちが始めてしまったこのお祭り、見守りながら時々巻き込まれてみてください。一緒に話し時を過ごすことでわかることがたくさんあるはずです。
鳥取の人はシャイだからとか、おとなしいからと行く先々で言われました。でもこんな突飛な企画を支え、お手伝いいただいたりもしています。よそから来るものを受け入れるそんな度量があるのも鳥取県民の血ではないかと。変化にも柔軟で、だから麒麟獅子は150以上全て少しずつ違う。
芸能者(芸術家)はもともと流浪の民でした。最近ではノマドと言います。そんな困ったさんたちを受け入れてくれそうな鳥取のまちなのでたてた企画です。新しい出会いと新しいつながりが生まれていくことを信じています。
また、今後この活動に関わり応援してくださる方、一緒に参加する方も大募集中です。どうぞよろしくお願いします。
参加してくださった皆さんへ
まずは今回この鳥取に飛び込んでくださった勇気に感謝します。即興ということで何が起こるかわかりません。しかしきっと楽しいことが起こるはずです。
今回全国各地津々浦々からお越しいただきました。これは私たちアーティストがきちんと場を持ち交流しながら活動を続けていくためのネットワークを作り出したいためでもあります。それぞれの地域に面白い場所や人がいます。そこから何か起こしていくことができないか。一人では難しくとも助け合うことでお互いに呼び合うことでできることもあるのではないかとおもいます。
作品制作環境を考えると今後地方で活動する作家はどんどん増えていきます。孤立してしまわないように、引きこもりにならないように、新しい空気をちゃんと吸えるようにこのお祭りを設定しました。これは私自身のためでもあります。
鳥取はなにもないけどなんでもできるは私が鳥取に赴任することを決めた時に言われた言葉ですが、場所と時間と人があります。自由度が高く、とてもゆるやかでのびやかです。ここで発見したことが作品に、あるいはこのまちで滞在制作を行うなど発展していくことになったら私もとても嬉しいです。また、そのまま作品作りに繋がらなくとも、これをきっかけに気軽に鳥取に足を運んでくれるようになったらそれもまた嬉しいです。
現代の芸能者はノマドでありながら自分の立ち寄る場所も開拓していくのだと私は考えます。鳥取で羽根を伸ばしまた飛び立ち、渡り鳥のようにいくことを祈ります。
内容
23日前夜祭(旧ヤマネデンキ)
18時45分開場19時開演
料金:1500円
定員:40名
くじ引きによる即興ダンスと音楽のセッション(オービタルリンク、中沢れいさん発案)
自己紹介的なパフォーマンス
①くじ引きにより3人組を作る
②各自が2分ずつ即興を行う(ダンサーは音楽家を指名したり、CDなど用いても良い)
③その3人でセッションを行う(4分)
24日周遊型パフォーマンス
15時50分 旧ヤマネデンキ集合16時から周遊型パフォーマンススタート
料金:1500円
定員40名
野外でのパフォーマンス(観客はヤマネデンキで地図をもらって巡回しながら見て回る)
ガイドとしてパフォーマーが案内します。
25日ワークショップ
10時:いなばのお袋市に出現
1時30分:わらべ館いべんとほーる(晴天時には階段、わらべ夢ひろば含む)にて
参加費 無料
場所 わらべ館いべんとほーる
申し込みはわらべ館(0857227070)
定員は50名(大人も一緒に参加できます)
夏至祭staff
企画構成:夏至祭実行委員会
宣伝美術、チラシデザイン:三宅航太郎(うかぶLLC)
宣伝写真:田中良子
映像:佐々木友輔(鳥取大学地域学部附属芸術文化センター)
写真:田中良子
主催:鳥取夏至祭実行委員会・キノコノキカク
共催:鳥取大学地域学部附属芸術文化センター、わらべ館、
協力:鳥取市中心市街地活性化協議会、新鳥取駅前地区商店街振興組合、鳥取市公園スポーツ施設協会、本通り商店街、HOSPITALE プロジェクト(旧横田医院、ことめや)、アフターアワーズ,(株)ヤマネ機材、鳥取藝住、totto、鳥取大学学生(地域学部附属芸術文化コース及び教養科目「芸術入門」受講生)、鳥取市内の皆様
1日目は正直まだ馴染みきっていない様子。
そして短い時間制限(2分×3と4分のセッション)でどこまで自身の色を出せるかはかなり難しい。空間をいかに使うかという点でもブラックボックスに近い旧ヤマネデンキという一つの空間で競う形になり、なかなか難しかったのではないかと思います。映像編集は同僚がしてくれていますが、ここでは写真でご紹介。
中沢、伊藤、佐成トリオ。いきなりお客さんにガムテープで貼られるという飛び道具からスタートした中沢さんのパフォーマンスに果敢に戦う伊藤さん、そして動揺した佐成さんは翌日リベンジを図る。
ヤマネデンキは2階建てのビル。一階部分は大きな窓があり、外から覗き込むこともできます。
イフク、ダミアン、石和田トリオ。イフクさん、撮影していたスタッフを舞台上にあげてしまい、動揺しながらちょっと楽しそうなカメラさん。
辻、やぶ、高橋。贅沢に踊り続ける辻さん。
OHPでビジュアル効果を作る仙石さん、こんな感じでやっています。
田中、古川コンビはなぜかお客さんまで手を上げて体操を始めてしまうノリ具合。
最後は全員で踊ったりしました。映像もきれいに写っています。
photo:田中良子
夏至祭2日目は街中歩き周遊型ツアー。
事前に想定していたコースが昼間暑すぎて(真夏並みのぴーかん照りでした)断念。急遽規模を縮小してしかしボリューム満点な感じで行いました。
以下の各所に行ってきました。
はじまりはヤマネデンキ。
仙石さん部屋からスタートです。
鳥取駅前けやき広場
風紋広場
アフターアワーズ special guest: 菊池ひみこさん
(踊っているのはJOUさん、ドラムはダミアン)
さらなるスペシャルゲストは凡ちゃん(生後10ヶ月)
パレット鳥取では盆踊りが。
巻き込まれて連れ去られていく人々。
美しき女子2人(石和田、宝栄)とバスクラ吹き。
結構ガチで踊ってます。
鳥取のまちなかをこのような集団(70人くらい)で歩いていることは滅多にないので、皆さんに振り返られます。そもそも歩いているだけですでにダンス。デモ行進ではないです。共謀でもないです。
袋川の土手もなかなか素敵な舞台です。客席もバッチリあるのです。
三角公園(正式名は太平公園)
HOSPITALE(旧横田医院)
最後はみんなで踊りました。私も含め。
photo :田中良子
3日目はおふくろ市に皆集合。毎月第4日曜日に鳥取駅前サンロードで開催される市民の皆さんの市場です。
2日間の間に目撃した人たち、新聞報道で知っていた人たちも多く、皆さん楽しみにしてくださる。ありがたい限りです。終演後おひねりと言ってコロッケをもらったり、ちまきをもらったり(ちまきは鳥取の名物家庭料理のようです)。photo:宮北裕美
鳥取夏至祭3日目ワークショップ@わらべ館
最後に開催されたのはワークショップ。
童謡と唱歌、おもちゃのミュージアムわらべ館での開催ということもあり、子供向けと思われがちですが、大学生、保護者、そして鳥取ミュージシャンも入り、子供も大人も、ダンスも音楽も両方やっちゃう(ダンサーも演奏するし歌も歌う。音楽家も走り回る)縦横無人なワークショップとなりました。
本来ワークショップは代表者というかリードする人がいるのですが、今回はあえて決めきらず、皆が少しずつ誘導し、少しずつつないでいくという「集団創作型ワークショップ」としました。このような形式を取れたのもこの3日間の共有感覚があればこそ。
大切なことは誰かが引っ張るのではなく、皆で一緒に進むことです。いろんな方向に進みながらでも緩やかなまとまりがある。そんな集団になっていきました。45分間動きっぱなし。大人も子供もただただ遊ぶそんな時間でした。
Photo:田中良子
鳥取夏至祭実行委員会
〒〒680-8550 鳥取県鳥取市湖山町南4丁目101 鳥取大学地域学部附属芸術文化センター ダンス・身体表現研究室(木野)
TEL/FAX : 0857-31-5130
E-mail:saiko@tottori-u.ac.jp